双眼鏡を覗くとそこは2.5次元

舞台・ミュージカルの感想など気の向くままに書き留めておくためのブログです。(※個人の感想ですので気になる方はご遠慮ください)

レディ・ベス 2017

2017年の終わりにドハマりしてしまったミュージカル、本当に素晴らしくて1回だけのつもりがリピートしました。ちなみに初演は観ていません。観る前に初演の感想をネットで検索してて、何かと厳しい意見も多かったので期待値が低いまま観劇したのですが、とてもよかった…!なんでこんなに色々言われてるんだろう。今後再々演になった際に私と同じように過去の感想を探す方の為にも、素晴らしいと思ったよ!という人もいるという感想を残しておこうと思います。観た方にしか伝わらない感想になると思いますが、お時間ある方お付き合いください。

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あらすじ

<STORY>
1 6世紀イギリス。ベスは国王ヘンリー8世の娘にも関わらず、母が反逆罪の汚名を着せられ処刑されたため、片田舎で家庭教師達と共に勉学に勤しみながらひっそりと暮らしていた。
王女らしい理知と少女らしい好奇心に満ちたベスは、ひょんなことから出会った吟遊詩人ロビンに反発しながらも淡い恋心を抱き始める。
しかし、つつましくも平穏だった日常は、彼女が現国王である姉メアリーに対して反逆を企てているとの疑いを掛けられ一変する。
忠義心をメアリーに信じてもらえず、司教ガーディナーやスペイン大使ルナールに陥れられ、ついにロビンとも引き離されロンドン塔に投獄されてしまう。
だがメアリーの圧政に不満が溜まった民衆からは、「ベスを女王に」という声が次第に高まっていく。ベスが選ぶ道は、女王として国を導く人生か、1人の女性としての幸せか、果たして――。

 

(公式サイトより)
 
私が観た組合せは、全て大阪公演
平野ベス・加藤ロビン・吉沢メアリー・古川フェリペ
平野ベス・加藤ロビン・未来メアリー・古川フェリペ
花總ベス・育三ロビン・吉沢メアリー・古川フェリペ
平野ベス・育三ロビン・吉沢メアリー・古川フェリペ
花總ベス・加藤ロビン・未来メアリー・平方フェリペ
 
フェリペは偏っていますが、それ以外のWキャストはまんべんなく観れたので大満足です!特にベス×ロビンは全ての組合せが観れて、組合せによって作品の印象が全然違うのにびっくりしました。これぞWキャストの醍醐味~!どれも良かったけど全て観た中で、個人的な好みは平野綾ベス(以下綾ベス)加藤和樹ロビン(以下加ロビン)ですね!
 
綾ベスは力強い歌声で勝気なレディという感じでめちゃくちゃ可愛かったです!我が父は王・秘めた想い・闇を恐れずは最ッ高でした。聞いてて自然と笑みが…スカッとするんですよ。可愛い中にもかっこよさがあって。綾ベスにとって女王エリザベスになるためにはロビンとの恋愛が必要だったのでは、と感じました。ロビンと出会い、愛を世間を自由を知ったからこそ女王になる決意ができたのではないでしょうか。ラストで迎えに来たロビンに対して、自分は女王になるため貴方とは行けないと告げる「分かって…」という台詞からも決意が伝わって、涙涙でした。ロビンは俺と一緒に自由になろうと言い、ベスは生まれながらの(女王になる)義務があるから一緒に行けないと言う、このやりとりの中で加ロビンの時は、毒殺のシーンでロビンがベスに「ベス、信念は曲げないで…自分の心に従うんだ」と言ったこのロビンの言葉(あえて台詞ではなく言葉と言います)が私の頭の中にフラッシュバックしてきて…結果的にこのロビンの言葉がベスに女王になる決意させた決定打になったのではないかなあと思いました。うっ、切ない。メアリー崩御を告げる王家の馬車が到着した際の「こうなると思っていた」という綾ベスの言い方が大好きです。特に加ロビンとの組み合わせの時はお互いに別れなければならない、けど言い出せず2人でいられるあとわずかな時間も惜しいという感じで、そこにトドメの王家の馬車がきてしまった、だからこそのベスの「こうなると思っていた」がつらい。ベスに王位継承権がきたと告げられた瞬間にもうベスとロビンには決定的な身分の差ができてしまう、それが分かった瞬間の加ロビンの跪く姿は美しくて切ない…ベスとの別れが悲しそうなベスが女王になれるのが嬉しそうなめっちゃいい笑顔するの。ベスの前では笑ってるけど、ベスが振り向かず歩いて行ったあと、泣くんだよ~~~ずるい~~!だからアスカム先生の歌がす~っと心に入ってきました。そこからの綾ベスの闇を恐れずが最高すぎて…!跪きたい。女王になるという決意を感じました。綾ベスはベス目線で、加ロビンはロビン目線で観てしまう。これがまたおもしろいんです。だからこの綾ベス加ロビンの組合せが両方の気持ちが突き刺さってきてもうぐちゃぐちゃでした。戴冠式でベスを見る加ロビン本当に優しい笑顔、あのイモーテル(永久花)のように枯れない気持ちでずっとベスを大事に想っていくんだろうなぁ。そして綾ベスの心のモヤモヤが晴れた笑顔でロビンに対して頷くのがもう最高すぎる。
 
花總ベス(以下花ベス)と育三ロビン(以下育ロビン)は、今私ミュージカルみてるー!!って感じでした。花育ペアの時の花ベスはロビンに対する依存度が高くてびっくりしました。最後の最後までロビンに対する未練(?)を感じて。加ロビンとの組み合わせの時はそうでもなかったのですが。やはり相手が変わると違うのかな?花ベスはみ~~んなに愛されて大事にされて育ってきたんだろうなあ。生まれながらのプリンセスでした。これは花ベスにしかないオーラ。ロビンに対しても素直でいい意味でおバカなプリンセスという歌の歌詞があうような、可愛らしかったです。微笑むだけでみんなに好かれて…だからメアリーは花ベスが憎くて憎くてしょうがなかっただろうなと思いました(笑)個人的に育ロビンって何考えてるかイマイチわからなくて…でも一緒に演じてると育ベスのほうが楽しいのかなあ?アドリブっぽいのが多かった印象で、1幕は楽しそうでした。
 
私が観ての印象は、花ベスは宿命、綾ベスは運命という感じでした。花ベスは前世から女王エリザベスになるのが決まっていて、そしてついにその時が来たみたいな。なんだろう…もう神に愛されているというのかな?花ベスの周りには見えざる力が働いている感じがしました。綾ベスはロビンとの出会いで全てが動き出したというか、その愛のおかげで運命が決まった気がしました。綾ベスは自ら女王への階段を上っていき、花ベスは女王の座へ導かれていった。個人的な印象ですが、こんな感じです。うーーん。同じ話でこうも台詞の言い方、歌い方、表情で印象が違うなんてWキャストおもしろすぎる。
 
古川くん目当てで観始めたのでフェリペがえらい偏っているんですけど、最後に観た平方フェリペもめちゃくちゃかっこよかった。あと1回くらい観たかったな。平方フェリペは何よりエロかった…ルナールとの絡みも良き…ありがとう。平方フェリペは男女問わずいけますって感じでした。古川フェリペは何を考えているのかわからなくて最高にクールヘッド~!そして見た目が良い。どちらも父に逆らいたくて逆らえなくて、その中でも自分の頭を使って出し抜こうとしてるんだけど全然違う!毒殺のシーンでも、古川フェリペはもしかして気づいてた?どっち?って感じで、平方フェリペは王子の気まぐれでたまたま毒殺できたって感じ。でも平方フェリペ1回しか観れなかったからあんまり自信ないなぁ。ただ平方フェリペはメアリーとの結婚式でもルナールと目配せ結構してて、すごくメアリーを馬鹿にしてた。公の場ではメアリーに対してきちんと接するけど2人きりになった瞬間、目も合わせてくれなさそう。その点古川フェリペは心の中ではだるいと思いつつも、メアリーに対して(うわべだけでも)優しそう。
古川フェリペと加ロビン&BOYSのお見送り回参加したんですけど、距離遠ッ!!!(笑)テニスに甘やかされたオタクには役者との距離が遠すぎた。でもあんまり近づいて菌とかうつしたらいけないもんね。衣装姿でのお見送りめちゃくちゃ麗しかった~~!ただただ見つめるしかできない。フェリペ王子が下界の下々に手を振って下さっている…ありがたき幸せ。てかまずお見送りに参加せず帰る人多すぎてびびった。なぜだ。
 
メアリーは個人的に吉沢メアリーが好きです!優しさが隠しきれていないところ、こちらはついついメアリーに肩入れしてしまう。でも未来メアリーの迫力あるのも良いです。衣装といい歌といいメアリーが刺さらない人いないでしょ~!!メアリーがくるとキタゼー!ってあがる。初演ではスーザンがメアリーに寄り添っていたと聞いて、そちらも観たかったなあ。あとルナールとガーディナー、これもみんな絶対好き!渋くてマント捌きなんかヒュー!ってなる。ベスを消せが短くなってると聞いてこちらも残念。初演CD聴くしかない。アスカム先生とベスの歌も、キャットの大人になるまでにもいい。特に大人になるまでには、大人になる前に聴きたかったな(笑)アン・ブーリンのエコーのかかった歌声がもう亡霊過ぎて怖かった(褒めてます)でもアンの歌をもう少し削って初演から削られたというシーンが観たかったかなあ。アンサンブルとBOYSも素晴らしかったです。酒場のシーン大好き!!観ててニコニコしてしまった。
 
まだまだ語りたいことがたくさんあるけど、ここまでですでに文字数…読んでくれた方いるんでしょうか。すみません。DVD楽しみだなあ~!もちろん色々言われてる理由もわかるけど、それ以上に私にとっては素晴らしいミュージカルでした。間違いなく私の人生において重要なミュージカルのひとつになりました。ありがとうレディ・ベス。今年も素晴らしい舞台にたくさん出会えて感謝です。